新規顧客を探すプロにリスティング広告の話を聞いて考えたこと

遠藤 卓
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はじめましてモチヤで主にマーケティング業務をしている遠藤です。
鳥取県からリモートワーク中です。

2021年10月8日(金)、外部講師を招いたモチヤ社内勉強会を行いました。

今回のテーマはリスティング広告について。
講師は株式会社PROPOの中尾 豊さんです!

リスティング広告は、興味を持っている人に効率よく配信のできる集客手段です。
モチヤでは、Webシステム設計・開発を主に行っていますが「どうしたら開発したシステムをより多くの顧客に使ってもらえるか?」というマーケティング視点で考えれるようになることで、制作面でも品質の向上(お客様満足度)に繋がるためディレクターからエンジニアまで全員参加しました。

登壇いただいた中尾さんのご紹介

株式会社PROPO
代表取締役 中尾 豊
インターネット広告運用とLPOを基本にSEOから執筆・講師・コンサルティング業務まで携わるWebマーケティングのスペシャリスト

【著書】

【SNS】

ビックリマンシールもあります!

 

リスティング広告とは

リスティング広告とは検索結果に広告を出稿できる検索連動型広告と、Webサイトにバナー広告やテキスト広告を出稿できるコンテンツ向け広告の総称です。
代表的なものにGoogle広告とYahoo!広告があります。

リスティング広告を学ぶメリット

図:マーケティングの全体戦略図

一口に「集客」といっても、集客の方法は様々です。広告だけではなくWebサイト、SEO、SNS、マーケティングオートメーション(MA)、チラシやDMなど多岐にわたります。リスティング広告は、即効性があり、なるべく早く集客したい場合に向いています。手軽さや早さ、融通のきくところがリスティング広告のメリットです。

 

広告で覚えないといけないことは4つ

広告で覚えないといけないことは「戦略」「仕組」「設定」「運用」です。
広告配信をすることは誰でも出来ますが、一番重要なのは「誰に」「何を」伝えるかという戦略的な所です。

「とりあえず配信」するのが一番やってはいけない!という中尾さんの目の覚めるような言葉から勉強会は始まりました。

中尾さんに教えていただいたオススメの広告・設定は後ほどご紹介いたしますが、戦略の部分は目に見えない箇所なので、つい疎かにしがちです。
今回の勉強会での一番の収穫は「なぜ戦略が大切なのか」を理解できたことにあります。

なぜ戦略が大切なのか

中尾さんの悩み相談で感動したことがあります。
それは、初見の商材に対してお客様はどこにいるのか?を瞬時に考え、お問合せ(以下CV)までの仕組を考え、購入する可能性が高い人に認知させる広告や設定をご提案いただけたことでした。

中尾さんに相談をしている遠藤
中尾さんに相談をしている遠藤

 

つい管理画面ばかり見てしまいますが、広告の配信先には必ず「」がいます。誰に何を伝えるかを考えずに広告を出稿するとどうなるでしょうか?

キーワードも絞れず、広告文も抽象的になりランディングページも当たり障りのない(響かない)内容になってしまいます。
戦略がなければ全て過った方向へ進んでしまう可能性があります。よい商品・サービスを作ったとしても、もったいないですね!

「戦略をしっかり頑張れば後はなんとかなります」とおっしゃっていた理由がよく分かりました。

戦略を適当に考え出稿してしまうと、関係ない人にまで広告が出稿され、認知のコストが膨大になってしまい費用対効果が合わなくなってしまいます。

認知が一番多く、興味関心、比較検討、購入と、段々少なくなるイメージ


ネット広告の素晴らしさは購入する可能性が高い人にピンポイントで知ってもらい購入してもらうことにあると感じました。
お客様についてよく考え、配信方法を絞ることでネット広告の素晴らしさが発揮されるんですね。

認知が一番多く、「興味関心」→「比較検討」→「購入」と、段々少なくなるイメージから、認知の段階からターゲットを絞り範囲を狭めたイメージ


認知度が低いサービスで検索連動型広告が出稿できない?

私は鳥取県在住ですが、Webの仕事をしていると地元で集客の相談をうけることがあります。
ちなみに鳥取県って日本で一番人口が少ない県です。

そこで最近受けた相談として“「出張シェフ」で調べている人に対して広告を出したい。”というものがありました。
さっそくキーワードプランナーで鳥取県で絞り、月間検索数を調べると、、10という結果に(月に10回しか調べられていない)
※ちなみ東京で同じキーワードで調べると1300でした

検索連動型広告では検索されてはじめて広告が表示されるため、検索ボリュームが少ないキーワードだと広告出稿したくてもできないケースがあります。
まだ世に知られていない新しいサービス・商品は検索連動型広告には向きません。どうしたらいいのか?中尾さんの質疑応答からヒントをいただきました。

コンテンツ向け広告も検討しよう

コンテンツ向け広告とは、Yahoo!では「ディスプレイ広告」Googleでは「Google広告ディスプレイネットワーク(以下GDN)」のことを指します。

検索連動型広告が「調べた人に配信する」のに対し、コンテンツ向け広告では配信サイトやお客様属性をターゲットとして広告を配信することができます。(YouTubeを見ているとよく出てきますね)

検索型広告とは違い、膨大な量の配信場所があるので、キーワード検索ボリュームが小さい(認知度が低い)商品やサービスでも出稿が可能です。
サービスの認知度が低い場合におすすめできる広告です。

ただし、先ほどの図でいうと「認知」「興味」の段階にいる人に多く配信されるので「購買」からはまだ遠いです。
費用対効果を高めるためには工夫して配信する必要があります。

検索連動型広告ではお客様が興味をもって情報やサービスを探しています。しかし、コンテンツ向け広告では、サイトの閲覧時に広告が表示されるため、検索連動型広告に比べると興味が薄くなりがちです。
ターゲティングがうまくできないと費用対効果が低くなってしまいます。

興味や関心が違うのに同じLPでもいいの?

そこで生まれた疑問として、検索連動型広告とコンテンツ向け広告では元々の興味・関心や購買意欲に差があります。
はたして同じランディングページでよいのか。同じCV設計でよいのか。

リマーケティング広告(一度、サイトを訪れた人に配信される広告)でも同様で、再度同じランディングページを見せてよいのでしょうか。

興味が弱い場合、「商品購入」から「資料請求」にハードルを下げそこから商品を知ってもらうのが適切かもしれません。
中尾さんのお話が進む中で、そんな疑問が湧き、お伺いしました。
「広告を出そう!」→「ではランディングページを作成しよう」と考えてしまいますが、ユーザーの興味の強弱によりCV設計を考え、ランディングページがそもそも必要なのかを検討し、必要であれば用意する。という逆算した発想が大切だということに質疑応答を経て気がつきました。

コンテンツ向け広告では本当に様々なターゲティング方法があります。その中でも勉強会で紹介いただいた内容を一部ご紹介いたします。どのような広告・ターゲティングがあるかに興味がある方は調べてみてくださいね。

オススメ広告や設定・機能・手法など

動的検索広告(DSA)(注目度:高)

動的検索広告は、ユーザーの検索語句とインデックスされたページの関連性に基づいて広告が生成されます。
関連性が高いと思われるページを自動でリンク先URLとして設定してくれる広告です。(さらに、広告文も自動で作成)
「型番」「商品点数」のキーワードなど、手動では到底対応できないようなキーワードを網羅でき、新たな「お宝キーワード」の発掘にも役立ちます。「型番」「商品」などのコンテンツ量が多いサイトを運用している方には特にオススメです!

Googleショッピング広告(PLA)

小売業を営んでいる場合、ショッピング キャンペーンを通じてオンライン店舗と実店舗の在庫を宣伝することができます。これによりサイトへのアクセスを増やし、質の高い見込み顧客を獲得できます。


スマートディスプレイキャンペーン

Googleの持つ豊富なデータと機械学習により、コンバージョンの最大化を目的としたディスプレイ広告キャンペーンです。入札、ターゲット設定、広告作成を全て自動で行うのが一番の特長です!CVデータが月間100件を超えるアカウントであればCVが大幅に増える可能性があるのでぜひチャレンジしてみてください。

カスタム オーディエンス

キーワードやURL、アプリ、場所を指定することで独自のオーディエンスを作成し、ターゲティングする機能です。特定の商品やサービスに興味や関心のあるユーザー、または特定の商品やサービスを調べていたり購入を前向きに検討しているユーザーに広告を表示できます。

リードフォーム表示オプション

リードフォーム表示オプションを使うと、ランディングページ無しでユーザーが広告から直接フォームで情報を送信できるようになるため、見込み顧客の獲得につながります。まずは興味をもっている方を集めそこから検討→購入までの流れを用意できたらとても有効な広告だと感じました。

サーチターゲティング 

ユーザーが検索したキーワードを利用し、ターゲティングを行う機能です。過去にあるキーワードを検索したユーザーが、別の機会にディスプレイ広告が配信されるサイトに訪れると、過去に検索したキーワード(検索履歴)をもとに広告が配信されます。※Yahoo!のみ


Facebookのリード獲得広告

Facebook 広告の掲載方式の一つで、ランディングページ無しでユーザーの情報を集めることが出来る広告形式です。セミナーの案内でもよく使われていますね。
広告では非常に多くの種類があります。
上記には記載しませんでしたが、Amazon広告、LINE広告、Instagram広告などを含めると、どれを使用したらいいか分からないという方が多いのではないでしょうか。
そこでも冒頭でお伝えした誰に何を伝えるか。そしてそのお客様は普段どこで情報収集をしているか?と「人」にフォーカスすると見えてくるものが多いのではないでしょうか。

Cookielessで生活者のネット情報がとれなくなる(変革期)

勉強会でも話題になりましたが、今年に入りWebマーケティング業界を賑わせているトピックがあります。それは「Cookie規制に伴うWebマーケティングの変化」です。
Google Chromeでも「サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)」のサポートを2022年までに段階的に廃止する予定であると発表がありました。プライバシーの観点から、当たり前に使用されていた生活者のネット情報がとれなくなれば受ける影響は甚大です。

(参考)Cookielessで再構築が必須となるデジタルマーケティング


リスク回避として今までと異なるコミュニケーション手段も会社によっては考える必要もあり(再訪を促す仕組みやメルマガなど)マーケティングの変革期だと感じました。Cookielessに関しては今後も最新情報をキャッチアップしていきたいと思います。

 

勉強会全体を通して

中尾さんとの勉強会は2時間半にも及び、資料は179ページと、大ボリュームなものとなりました。

元々Webマーケティングがモチヤでの業務の私には全てが興味深いものではありましたが、元々あまり興味を持っていなかったメンバーにもマーケティングについての興味や学びがあったようで、社員全員にとって有意義な勉強会になりました。

今回学んだこと

  • 広告の基礎
  • 戦略について
  • 予算の考え方
  • キーワードの見つけ方(マッチタイプを含む)
  • 広告文の作り方&ポイント
  • 広告ランクの重要さ
  • 品質スコア(インデックス)アップのポイント
  • 業種毎のオススメ広告
  • 広告管理の方法
  • 広告運用の仕方

広告の基礎から応用まで、たくさんのご指導ありがとうございました!

最後に

本記事では、中尾さんとの勉強会を通して考えたことをまとめました。
私の独自の解釈もあるので、リスティング広告やマーケティングについて学びたい方、興味がある方はぜひ中尾さんのセミナーや講義を受けてみてくださいね!

私の今後の展望としては、SEO、SNS、アクセス解析、広告、サイト制作など様々な視点からお客様の利益を創出できるマーケティングのジェネラリストになれるように日々精進していきたいと思います!

勉強会後

勉強会後は岡山市の「黒ひげ」にて親睦を深めました。

「奢ってもらうときは遠慮をするもんじゃない!」と言われ、お酒が入っていたこともあり調子に乗った遠藤はすっぽん鍋を頼みました。(金額を聞いて3日間、反省しました)

画像:スッポンの甲羅が鍋の中央に鎮座している
スッポンの甲羅が鍋の中央に鎮座



個人的にはさわらの塩叩きが一番おいしかったです。

画像:さわらの塩たたきにレモンを絞っている

ためになるセミナーとおいしい食事で心と身体をみたし、帰鳥するのでした。

 

遠藤 卓/ マーケター

海の家(実家)からリモートで勤務しているマーケターです。
マーケティング戦略を立てたり、広告やSEO、コンテンツ設計などを行なっています。
「なるほど」と言ってもらえる解決案を考えることが好きで、日々思考を巡らせています。

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