Drupal 10のリリース日と主な機能、Drupal 7やDrupal 8、Drupal 9からのアップグレードについて


Drupal 10へのアップグレード準備はできていますか?
Drupal 10は2022年12月にリリースされることが決定しています。Drupal10へのアップグレード手順は現在利用中のDrupalがどのバージョンかによって変わってきます。
この記事ではDrupal 10への移行に関するタイムライン、アップデートにより提供される主な機能、アップグレードのために必要な準備について解説します。
Drupal 10のリリース日
当初、Drupalコミュニティは2022年6月にDrupal 10をリリース予定でした。その後、リリース日は変更され現時点では2022年12月14日にリリースが予定されています。Drupal 10はDrupal 9のリリースから3年足らずで利用可能になります。ちなみに、Drupal 8は2015年11月19日、Drupal 7は2011年1月5日にリリースされています。
今回のDrupal 9からDrupal 10への移行も、前回のDrupal 8からDrupal 9へのアップグレードと同様に比較的容易なものになります。Drupal 10はDrupal 9の改良版という位置づけになります。
Drupal 10の主な機能
Drupal 10では新しいフロントエンドのテーマの実装など、以下に示すいくつかの新機能が追加されています。
- 新規デフォルトテーマOlivero(現行のBartikから置き換わります)
- 新規管理テーマClaro(現行のBartikから置き換わります)
- CKEditor 5導入によるモダンな編集UIの提供 (CKEditor 4の後継)
- メニュー、URL周りの開発者とサイトビルダーの分離のための各種改良
- レイアウトビルダーとメディア機能の改善
- カスタムテーマ作成のためのスターターキットツールの導入
- 最新のJavaScriptコンポーネント導入によるjqueryの置き換え
- Symfony 6 (Symfony 4 から置き換え) と PHP 8.1 (PHP 7 の置き換え) の導入
Drupal 10へのアップグレード
Drupal 10へのアップグレードを検討している場合には、まずは現在お使いのDrupalのバージョンを確認する必要があります。
管理 > レポート > ステータスレポートで、Drupalのコアバージョン番号とインストールに関する詳細情報を確認できます。
2022年6月5日時点におけるDrupalの利用統計は以下の通りです。多くのユーザーがまだ古いバージョンのDrupalを利用していることがわかります。
Version | Users |
---|---|
rupal 5.x | 226 |
rupal 6.x | 12,177 |
rupal 7.x | 460,227 |
rupal 8.0.x | 1,620 |
rupal 8.1.x | 1,129 |
rupal 8.2.x | 1,903 |
rupal 8.3.x | 2,964 |
rupal 8.4.x | 2,021 |
rupal 8.5.x | 7,924 |
rupal 8.6.x | 12,320 |
rupal 8.7.x | 13,850 |
rupal 8.8.x | 15,467 |
Drupal 8.9.x | 83,640 |
Drupal 9.0.x | 3,562 |
Drupal 9.1.x | 9,617 |
Drupal 9.2x | 33,459 |
Drupal 9.3.x | 193,404 |
Drupal 9.4.x | 15,674
|
Drupal 9.5.x
|
12,010
|
Drupal 10.x
|
14,246
|
Total | 897,440 |
※Drupal 10はまだリリースされていませんが、14,000人近いDrupalコミュニティのメンバーが正式リリース前の開発バージョンであるDrupal 10を利用しています。
この統計データから何か気付くことはありませんか?Drupalユーザーの半数以上(460,227)は、10年以上前にリリースされたDrupal 7.xを使っています。DrupalコミュニティによるDrupal 7のサポート期限の終了は間近に迫っています。サポート修了後はコミュニティの提供する自動テストサービスやセキュリティアップデートが終了することを意味します。
Drupal 7のサポート終了日とアップデートについて
COVID-19以前には、Drupal 7のEOL(サポート終了日)は2021年11月に予定されていました。しかし、Durpalコミュニティはパンデミックによる企業への影響を考慮した結果、ユーザーにアップグレード期間に猶予を与えるため、2022年11月までサポート期限を延長すること決定しました。
また、DrupalコミュニティはDrupal 7のサポート終了日を毎年見直すことを発表しました。2022年6月現在ではDrupal 7のEOLは2023年11月に設定されていますが、コミュニティによるサポートが再び延長されるかどうかについては、2023年7月までに再度発表される予定です。
以下は以前は2022年2月23日にアナウンスされた、Drupal 7のサポート期限延長に関する発表の抜粋です。
未だに多くの組織でDrupal 7が利用されています。旧バージョンのDrupalを保守し続けている方、そのサービスを受けているエンドユーザーはDrupalコミュニティの重要なメンバーです。
本来なら新バージョンへのアップグレードを検討いただきたいのですが、私たち(Drupalコミュニティ)は今まで発表されていたサポート期限までにアップデートすることが難しいユーザーを脆弱な状態のまま見過ごすこともできません。
そのため、Drupal 7のサポート期限は毎年見直すことにしました。
本日よりサポート期限を1年延長し、2023年11月1日をサポート終了日とします。
Drupal 7のサポート期限終了前に最終的には50万人以上のDrupalユーザーがDrupal 7からDrupal 9または10へのメジャーアップグレードを行う必要があります。もし、現在お使いのDrupalが旧バージョンである場合には
今すぐDrupal 9への移行を計画し、Drupal 10のリリース後にDrupal 10にアップグレードすることをお勧めします。
Drupal 8のサポート終了日とアップグレードについて
これまで、Drupal 7ユーザーがアップグレードを検討する際の選択肢としてDrupal 8に触れなかったことに疑問を抱く方もいるかもしれません。その理由としては、Drupal 8はすでにサポート期限を過ぎてしまっているためです。Drupal 8はもはやDrupalコミュニティからのサポートやセキュリティアップデートを受けることができません。
そのため、Drupal 8を使用している場合は、できるだけ早くDrupal 9にアップグレードし、その後、Drupal 10にアップグレードしてください。Drupal 8からのアップグレードは大幅な変更ではないため、通常であればDrupal 7からのアップグレードに比べてよりはるかに簡単に実施可能です。
Drupal 9のサポート終了日とアップグレードについて
現在、Drupal 9をお使いの場合は2023年11月までにDrupal 10にアップグレードする必要があります。これは
Symfony 4がEOLを迎えるためです。お使いのサイトを常にDrupal 9の最新バージョンにアップデートし続けておけば、その後、スムーズにDrupal 10に移行することができます。
Drupal 10の新機能はDrupal 9のアップグレードに含まれています。そのため、開発者はDrupal 10を視野に入れた新しいAPIで開発することができます。Drupal 10リリース時には、非推奨のコードは削除され、後方互換性は失われます。しかし、APIの変更を開発者している開発者であれば、Drupal 10へのアップグレードは比較的容易に可能です。
Drupal10 へのアップグレード準備はモチヤにおまかせください
ここまで、Drupal 8、9からDrupal 10へのアップグレードは比較的容易に可能とご説明させていただきました。しかし、スムーズなDrupal 10への移行は以下のような理想的な条件が揃っている場合に限ります。
- Drupalが適切にカスタマイズされている
- Drupal 10に対応済みのモジュールを利用している
- 廃止予定のAPIを利用していない、もしくは対策済みである
私達はDrupalをお使いのお客様から日々、多くのご相談をいただきますが、上記のようにアップグレードがスムーズに可能なケースはさほど多くありません。現実には何らかの実装やモジュールがアップグレードに追従できず、代替案の模索が必要なことが多いのが現状です。
また、Drupal 7で稼働中のシステムを最新バージョンのDrupalでリニューアルしたいというお客様からも多数お声かけをいただいております。Drupalでお困りの際はぜひ、モチヤにお声がけください。

井上 賢太郎/ アシスタント
様々な業務のお手伝いをしています。地元の新潟や海外からリモート勤務をしています。得意なことは格闘全般です。
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苅田 ハユセ
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