Drupal 9.1.0の新機能

2020年12月2日、Drupal9のマイナーバージョン、9.1.0がリリースされました。
リリースノート：https://www.drupal.org/blog/drupal-9-1-0

今回のリリースで追加された機能

Drupal 9では初めてとなる今回の機能リリースでは、新しいフロントエンドテーマOliveroの試験的導入、管理テーマClaroの改善、インストーラーのパフォーマンスを20％改善、Composer 2とPHP 8への完全対応、また、サイト閲覧時のパフォーマンス改善のため画像の寸法が利用可能な場合に画像がデフォルトで遅延ロードされるようになりました。

新しいフロントエンドテーマOliveroの導入

Drupalコアに新しいフロントエンドテーマ「Olivero」が試験的に追加されました。このモダンで透明感のあるテーマは将来的に現状のBartikに代わりデフォルトテーマとなる予定です。現状ではOliveroはサブテーマには対応していませんが、将来的には正式に対応するかもしれません。 このテーマはRachel Olivero (1982-2019)にちなんで命名されました。彼女は全米視覚障害者連合(National Federation of the Blind)の技術グループの責任者であり、アクセシビリティの専門家としてDrupalコミュニティに多大な貢献をしました。

管理テーマClaroへの機能追加

試験的に導入されている管理テーマClaroでは、モジュール管理、views管理、ステータスレポート、メディアライブラリなどの主要なページにClaroのデザインを導入しました。

Composer2 と PHP8 への完全対応

Drupal 9.1はComposer 2に完全に対応しています。もしComposer 1を利用している場合は、今が更新の絶好の機会です。Drupalサイトで使用されているほとんどのプラグインは新しいバージョンと互換性があります。また、互換性の無いものについては廃止されています。今回のアップデートによりメモリとパフォーマンスの要件が大幅に改善されました。 PHP8はDrupal 9.1でもサポートされています。しかし、寄与プロジェクトの中には完全に互換性をもたないものもあるかもしれません。Drupal9はPHP 7.3以降と互換性があります。PHP 8には様々な新機能がありますが、JITコンパイラやパフォーマンスの向上はDrupalには影響しないと思われます。Drupal 10は2022年にPHP 8を必要とする予定です。利用中のPHPのバージョンのサポートスケジュールを調べて、プラットフォームのアップデートを計画する事をお勧めします。

その他の改善点

インストーラーのパフォーマンスが20%向上しました。Drupalサイトのインストールがより速くなりました。 Drupalによって描画された、画像サイズが指定されている画像についてはデフォルトで遅延ロードされるようになります。画像は閲覧者のビューポートに表示されるタイミングで読み込まれます。これによりコンテンツの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスが向上します。 Drupal 10のリリースは2022年中旬に予定されています。それに先駆け、Drupal 9.1ではSymfony 5をサポートするために必要な準備が含まれています。