未経験からWeb業界への転職体験談

梅木 和弥

はじめまして、梅木と申します。
今年の8月から見習いエンジニアとして入社いたしました。
Drupalエンジニアとしての活躍を目標に日々勉強しています。

ほんの3ヶ月前までは別の業種に従事しており、Web業界とは全くの無関係でした。
しかし、ひょんなことからWeb制作に興味を持ち、新卒2年目と忙しい時期ではありましたが、業務の傍ら独学で勉強していました。

そこで今回は、独学で学んだこと、転職活動での対策、実際に働いてみて感じたことをまとめました。
独学でWeb制作を勉強されている方や、一定の知識・スキルを持っているが実務未経験である方の参考になれば嬉しいです。

入社まで

改めて簡単な自己紹介から。
学生時代は専門学校にて応用化学と生物学を専攻し、酵素を使ったゴムの分解条件について研究をしていました。
卒業後はメーカー会社の生産技術職として生産設備のオペレーション業務を行っていました。
そのためWeb制作とは全く無関係で、レポートや実験のデータ整理に使う程度の乏しいパソコンスキルしかありませんでした。

Webに興味を持ったきっかけ

私は読書が好きで、自分の中にはない新たな価値観と出会うことができる自己啓発の本をよく手に取ります。
その中でも西村ひろゆき氏の書籍を拝読する機会が多く、度々プログラミングについての記述を目にしたことから、次第に興味を持つようになりました。

ただ当初は、「プログラムを組みたい」というよりも「オペレーションではなく何かを生み出す開発者に憧れた」というのがきっかけでした。
挑戦してみようにも、パソコンを持っていなかったため、YouTubeやネット記事をみてプログラミングに必要なスペックを調べて購入しました。
購入と同時に、月額1,000円程度で学習できるe-learningを活用し、一番身近に感じたWeb制作というものに触れてみました。
はじめこそ義務感で取りかかりましたが、面白くて気づいたらずっと動画をみて勉強していました。
動画学習では、HTMLでのマークアップ・CSSを使ったスタイルの設定・JavaScriptを使って簡単にWebサイトに動きを出すということに取り組みました。
動画学習以外では、WordPressでの簡単なテーマ構築や、Reactに触れてWeb上のAPIを操作・加工する練習をしていました。

転職の決め手

はじめはいつかそれっぽいホームページを作れたらなと思っている程度で、仕事にすることは想定していませんでした。

しかし、仕事と勉強の日々が3ヶ月続く中で、仕事と勉強の両立というよりもWeb1本で挑戦してみたいという気持ちが日に日に大きくなりました。
加えて、学生時代に自分のやりたいことをはっきりと見つけないまま就職してしまった(自己分析ができてなかった)という理由から、現職と自身のキャリアビジョンにギャップを感じていたことと、さらに挑戦できる環境を求めていたことが転職を決断する鍵になりました。

転職活動

転職活動を始めるにあたって、1回目の就職活動の反省を踏まえて自己分析に1番時間をかけました。
楽なことではありませんでしたが自分と向き合える時間を作れたので、転職活動に限らず自身の人生観の形成に繋がりました。

自己分析でしたこと

具体的には、以下の2つのことに取り組みました。

  1. ストレングスファインダーの受講
  2. なりたいエンジニア像の確立

1. ストレングスファインダーの受講

書籍等も多く出ており、自己分析ツールとして定評のあるストレングスファインダーを受講しました。
このようなツールを使うことははじめてでしたが、過去の振り返りとこれから自分がどうなっていきたいかを照らし合わせることで、転職活動に限らず自身の道標にもなるためオススメです。

2. なりたいエンジニア像の確立

業界研究前の段階では、Web業界に対してとても華やかなイメージを持っていました。
綺麗なオフィスで働いてみたい、パソコンを使っておしゃれなカフェで仕事をしたい、そう思っていたのは事実です。
しかし、実際にエンジニアとして働くことを考えたときに、挫折しないための信念・軸・目標を確立させるべきだと感じました。
そのため、実際に自分がプログラミングを通して何を作っていきたいか、どういうキャリアを積んでいきたいかというところを明確にして転職活動に臨みました。

作業の様子

転職活動の準備

転職活動のために準備したことは主に以下の3つです。

1. ポートフォリオ作成

デザインについては全く勉強をしていませんでしたが、ツールに触れることとWebサイトを制作する一連の流れを経験したいという目的があったので一から作成しました。

今回は、かっこいいデザインやメリハリある動きを持つサイトというよりも潔く初学者らしいものを作ろうと心がけました。
デザインを考える上で、Webのまとめサイト等を参考にして制作しました。
制作にあまり時間をかけずに業界研究・企業研究に時間をかけたいと思っていたので、ポートフォリオ作成は3日ほどで終わらせてサーバーアップしてます。
ただ、一度で満足する物にはできないとは思います。
少し変えるだけ、機能をつけるだけで企業からリアクションをいただけることもあったので、1回目から完璧を目指さずに転職活動を進めながらブラッシュアップしていくことをおすすめします。

2. 転職ツールの選定

  • Web系へのサポートが手厚い転職エージェント
  • カジュアルな転職エージェント
  • Twitter

3. 履歴書・職務経歴書の作成

転職先に求める条件

実務未経験かつ社会経験が乏しいこともあり高望みはできないと感じていましたが、自分の中での転職先に求める条件と転職活動における軸は明確にしていました。

  1. 成長できること

    今回の活動のゴールは、内定をいただくことではなく、エンジニアとしての目標を達成できる場所の決定としていました。
    そのため転職活動においての一番の軸として、多くの価値観に触れて経験・成長できる環境ということを重視していました。
  2. 案件ごとの待機期間が短いこと

    多くの現場を経験できるSES企業を検討していました。
    SES企業に入社するうえで、次案件への待機期間が長いことを懸念していました。
    待機期間中、ずっとロースキルの案件をこなしながら勉強をするという転職前と変わらない未来が待っている可能性もあります。
    もちろん、その間に社内の開発に携われるということもあると思います。
    しかし、全部が全部そういうケースではないと割り切り、次案件への待機期間が短いことを自分の中での条件に決めていました。
  3. プログラミングを勉強しながら仕事ができること

    現実を見て考えていたけれど、本音は・・・
    自社開発・受託開発をしている企業の見習いという立場でプログラミングを学びながら仕事をしたい。
    実務未経験の場合は、SES事業を展開している企業の案件が多いという印象を持っていました。
    しかし実務未経験でありつつも、自社開発or受託開発の制作会社のエンジニアとして、プログラムを学びながら仕事をしたいという甘い気持ちを持っていました。

転職活動で感じたこと

転職活動を終えて感じたことと実際の面接の雰囲気を書きますので、実務未経験からの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
実務未経験での書類選考の通過率は20%、そこから面接を経て採用までは30%とかなりシビアなものだと聞いていました。

応募をする際は、最初はあまり慎重にならずに、クライアントの立場に立って「ここの会社にホームページを作ってもらいたい」と思うような会社を直感的に探し、そこから企業について研究をしていました。
とはいえ、ホームページや求人票の情報だけではわからない部分も多いと思います。
Web業界についての知識が乏しくWebに詳しい知人もいなかったため、業界についての情報収集を兼ねて、少しでも興味を持った会社にはコンタクトを取り、30社以上応募しました。

有難いことに書類選考の30〜40%は通過したので、転職活動中は少なくとも1日1社以上面接をすることができました。
こちらは参考にしていただければと思い記載しますが、内定をいただけたのは、体感で全体の10%かなという感じです。

面接の雰囲気は、カジュアルなところから厳粛なところまで会社によって様々でした。

面接回数は2回が多かったです。
面接では主に以下のようなことを聞かれました。

  • ポートフォリオをの工夫点を説明して
  • 検索の仕方ってどうしてるの?
  • 2年後、5年後はどうなりたい?
  • なんでWebに興味持ったの?

私についての質問には、簡潔な回答を優先しつつ、出せる情報はなるべく伝えようとしました。
独学で学んだことを聞かれた時には、口頭だけでは伝わらない部分を見てもらうために「メールといっしょに送ったポートフォリオ内の〜のサイトや、〜の練習をしました」とその場でポートフォリオを見てもらうよう誘導しました。

他にも、Webに興味を持った理由を聞かれた時には、興味を持ったきっかけを答えた後に、「〜の経験を積んで〜ができるエンジニアになっていきたいと考えています。」とキャリアイメージを示しました。

技術的な質問には、簡潔に答えることが難しいので「例えば以前〜の機能を練習しましたが...」というように多少長くなりましたが、具体例を提示して質問に解答しました。

また、逆質問では何を聞いたらいい?という疑問はよくあると思います。
私もかなり悩みました。
これは主観ですが、逆質問は企業への意欲を見せる場でもあるとともに、企業との相性の確認にも繋がると思っています。
入社後にギャップを感じたり、転職活動のスケジュール管理に困ったりしないためにも、感じたこと・引っかかったことはなんでも聞いていいと思います。
内定をもらえずに「とりあえずどこでもいいから雇ってくれ」と焦っていた序盤のころの私は当たり障りのない質問しかできませんでした。
ただ、ミスマッチも防ぐためにも逆質問の準備はしておくべきだったと思います。

未経験でアピールできる部分は限られるので、独学で自分なりに工夫した部分を正直に伝えればよいと思います。
変に取り繕っても相手はプロですので、こちらの背伸びは見破られます。
用意したポートフォリオの内容についてアドバイスしていただいたり、褒めていただいたりすることもありますが、中には「実務未経験では何もできない」と話を聞かずに突き返されることもありました。

転職活動中は、いただける評価が相手によって大きく変わり、全てを真に受けていたら心が持たないので、面接を受けた後は引きずらず頭をすぐ切り替えることをオススメします。

モチヤとの出会い

複数いただいた内定の中から就職先を決めようとしていたところ、何気なく開いたTwitterで当社代表の「初学者の方、うちで見習いやりませんか?」のツイートを見つけました。
リクルートページを読み、以下の3つの理由から応募を決めました。

1. 見習いエンジニアを募集していた

転職活動中に出会った企業で、見習いエンジニアという職種を募集している企業が初めてでした。
どういうカリキュラムで一人前になっていくのか、実案件にはどの立場でアサインできるのかというところが気になっていたポイントです。

2. クライアントの立場になって開発ができる

転職先に求める条件とは別に、自分がクライアントの立場になってこの会社にホームページ依頼をしたいなと思うところであることも企業選びのものさしにしていました。
技術的なことは分かりませんが、素人目線でモチヤサイトをみて、クライアントだった場合にホームページ制作を依頼したいと思いました。

3. 社風に惹かれた

モチヤのブログから会社のテーマを決めて積極的に新しい情報を取り入れる様子やあたたかい雰囲気が伝わってきました。
例えば、社内勉強会が活発におこなわれていたり、社員同士でのキャッチボールがあったりしたことが印象的でした。

会社のお問い合わせフォームからコンタクトを取り、2日ほどで面接についてのメールがきました。
モチヤでは、カジュアルな面談と面接がありました。
初回の面談では、会社についての説明を受け、簡単に自分の経歴を伝えるものでした。
入社面接では、自分がしてきたことに対する質問や、入社してからはこういう道でエンジニアとして育てていきたいというお話をいただきました。
他の会社の面接と比べると、質問が多いかなという印象でした。
入社してから目指すエンジニアへのロードマップを提示してもらったところが、自身の働きたいなと思うポイントでした。

私が勉強で作ったサイトに、「〜の機能をつけたい」という要件があったらどうする?という質問には少し戸惑いました。

当日の内に採用連絡をいただき、面接でお話を聞いている中で「ここで勉強したい。」という気持ちがあったので迷うことなく入社しました。

キャリアマップについての話し合い

勉強したこと

独学では、HTML、CSS、JavaScript、WordPress、Reactといった主にフロントエンドの学習をしていました。
DrupalやPHPは予備知識が乏しかったので、入社するまでは主にacquiaの動画を参考にしながらデモサイトを作って学習を進めていました。

また、プログラム自体の経験が乏しいため、簡単なJavaScriptやReactを使ったアプリを作ってみたり、SQLへの知識を深めたりしていました。

入社してからの実務や課題など

入社してからは、先輩社員の指導のもと実案件のコーディングや業務の傍らでDrupal、プログラムの課題に取り組んでいます。
課題の具体例としては、Drupalを用いたサイト構築を行う機能に触れるためのもの、テーマを構築するコーディングスキルを身につけるためのものなどがあります。

実務

  • 自社サイトのコーディング
  • 自社サイトCMSの部分的な仕様変更
  • 実案件でのコーディング

課題

  • Drupalの課題
  • コーディング課題(自社サイト、LP等)
  • acquia認定試験サイトビルダー受験のための試験勉強
モチヤサイトServiceページ
実際にこちらのページをコーディングしました。
https://www.mochiya.ad.jp/service

モチヤについて

まだ入社して2ヶ月ほどですがモチヤは明るくかつ、どこか落ち着いていて居心地がいいと感じています。
オフィスも綺麗でおしゃれなので、快適に仕事ができています。
いつでも質問ができるように先輩社員の隣で学ぶことができたり、実案件ベースで経験を積めたりする環境は、転職前の自分では考えられないほど貴重なものだなと感じています。

より成長するために、環境に甘えずに与えられるだけでなく自分で課題を日々探して消化していきたいです。
先輩方に頼りすぎな部分があるので、少しずつ一人で解決できるようになりたいと思っています。

さらにオフィスには、デロンギのエスプレッソマシンがありいつでも美味しいコーヒーを飲むことができます。
以前よりもコーヒーを飲む頻度が増えているので、カフェインの取り過ぎには気をつけたいです。(笑

今後の目標

フロントエンド、バックエンドのプログラムを学習し、それを基盤にDrupalのエンジニアとしての活躍を目標としています。
日々多くの学習機会をいただいていますが、この環境に甘えることなく自ら進んで成長のために行動していきたいです。

現在、入社して2ヶ月が経ち実案件にも少しずつ慣れてきましたが、まだまだ抜けているところがあったり時間がかかったりして、簡単な作業でも完全に一人でできるとは言えません。

例えばですが…

  • 与えられたタスクの内容についてのインプットがまだまだ未熟なので、作業が終わって報告するときのアウトプットが疎かになることがあったり。
  • 要件を実現するための方法を考えた際に、少し本質からずれた実装を出したり。

と、エンジニアとしての技術量・知識量だけでなく、社会人としてのスキルもまだ未熟です。

モチヤで、エンジニアとしても社会人としても日々貴重な勉強をさせてもらっていますが、日常のタスクに追われることなく自身の役割とタスク内容の本質を考え、都度インプット・アウトプットしながら成長していきたいです

最後に

今回、私は思い切って新しい環境へ飛び出してみてよかったなと思っています。
就活・転職活動は必然的に自分と向き合う時間が増えるので、決して楽なものではありません。

また、年齢や家族、勤務地など、人によって優先するべき条件は異なるため、誰しも身ままに進路を決断できるとは考えにくいです。
しかし、仮に思うようにいかなくても悩んだ時間は絶対に自分の力に繋がります。
このブログが同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

梅木 和弥/ Drupalエンジニア

主にDrupalの構築・開発に携わっています。
最近はバックエンド開発に力をいれており、先輩方のコードレビューから知識と洞察を吸収しています。 好きなDrupalモジュールはFlagです。

休みの日はカフェでのんびりと過ごすことが多いです。

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