SimplytestでDrupalのテストサイトを一時的に作成する方法

モチヤスタッフ

Drupalを使うためには、開発環境を構築する必要があります。
当ブログでは、過去にDrupalのローカル開発環境を構築する方法をいくつか紹介してきました。

参考:M1/M2にも対応!Landoを利用してDrupalのローカル開発環境を構築!初期設定方法を詳しく解説します(Mac版)
参考:MAMPを使ったDrupalのローカル開発環境の構築方法
参考:DDEVでDrupal 10のローカル開発環境を構築する方法

しかし、中には「まずはとりあえずDrupalを触ってみたい」という人や「モジュールを少し試してみたいだけだから、開発環境は使い捨てでいい」という人もいると思います。

そんな人にオススメなのが「Simplytest」です。
試用目的なので24時間のみの環境ですが、簡単にDrupalの環境を作成できます。

本記事では、一時的なテストサイトをブラウザ上で簡単に作成できるSimplytestの使い方を紹介します。

Simplytestとは?

スクリーンショット SymplytestのHP

Simplytestは、Drupalのサンドボックス環境を提供してくれるサイトです。
ウェブサイト上で簡単にDrupalの環境を作成し、モジュールやテーマを試せるので非常に便利です。

ただし、作成したサイトは試用目的のため、24時間の利用制限があります。
作成から24時間が経過すると、自動的に削除されて使えなくなるので注意しましょう。

消えてしまうことが前提になるので、作り込みを目的とする場合は、ローカル開発環境を構築するようにしましょう。

Simplytestの使い方

サンドボックスの基本設定

「simplytest.me」にアクセスし、プロジェクト名フィールドに「Drupal」と入力し、表示される一覧から「Drupal core」を選択します。

スクリーンショット Symplytestでdrupalを検索し、drupal coreを選択している

次に、となりのドロップダウンリストから、目的のバージョンを選択します。

スクリーンショット SymplytestのHPでdrupal coreのバージョンを選択している

このまま「Launch Sandbox」をクリックすればすぐに起動できますが、Drupalの言語設定が英語になってしまいます。

日本語を設定するためにはDrupalを手動で設定する必要があるので、「Advanced options」という項目をクリックして開き、「Manual installation」にチェックを入れます。

スクリーンショット Manual installationにチェックをつけている

このオプションを有効にすると、インストール時にDrupalの手動設定ができるようになり、サイトのデフォルト言語を日本語に変更できます。

英語でも問題ない場合はチェックを入れる必要がなく、チェックしなければこの先の「Drupalの初期設定」をスキップできます。

追加でインストールするモジュールの選択

Simplytestでは、追加のモジュールをインストールしてその機能を試すことができます。
まず、「Add additional project」ボタンをクリックしてテキストフィールドを追加します。

スクリーンショット add additional projectボタンをフォーカスしている

テキストフィールドが追加されたら、そこに追加したいモジュールの名前を入力します。
名前を入力すると候補が表示されるので、目的のモジュールを選択しましょう。

スクリーンショット モジュール名を入力し、モジュールを選択している

選択後は横にバージョンが表示されます。
デフォルトでは最新番が選択されていますが、指定のバージョンを試したい場合はセレクトボックスから変更しましょう。

スクリーンショット モジュールのバージョンを選択している

これでモジュールも一緒にインストールされるので、後でDrupalの管理画面から有効化すればすぐに使えるようになります。

モジュールの選択が終わったら、「Launch sandbox」をクリックして、サンドボックスの起動をします。

スクリーンショット LunchSandboxボタンを押下しサンドボックスを起動している

「We’re building your instance…(インスタンスの構築中)」と書かれた画面に遷移するので、しばらく待ちます。

スクリーンショット サンドボックスの起動ロード画面

しばらくすると、 Drupal のインストール画面に移動します(「Manual installation」にチェックを入れている場合のみ)。

Drupalの初期設定

ここから先はローカル開発環境構築と同じで、Drupalの初期設定画面が表示されます。
まずはサイトの言語を日本語に変更します。

スクリーンショット drupalのインストール画面で言語を日本語に選択している

「プロファイルの選択」は「標準」を選択します。

スクリーンショット drupalのプロフィール選択画面で標準を選択している

「データベース情報の入力」は最初から必要な情報がすべて埋まっているので、内容を変更せずに「保存して次へ」ボタンを押して進みます(パスワードが空になっていますが問題ありません)。

スクリーンショット drupalのインストール画面でデーターベースの情報を入力している

最後に「サイト名」や「メールアドレス」「ログインアカウント」などサイトの環境設定を行います。

スクリーンショット drupalのインストール画面でサイト情報を入力している

これでDrupalの設定が完了しました。

Drupal環境の確認

Drupalの設定が完了すると、Drupalのトップページに遷移します。
管理画面にもログイン済みの状態になっているので、上に表示されている管理画面メニューから、各種操作ができます。

スクリーンショット drupalインストール後のTOPページ画面

24時間限定ですが、Drupalの機能を試したり、気になるモジュールを試してみましょう。

また、インストールしたモジュールは有効化する必要があります。
管理画面メニューの[管理]→[機能拡張]から目的のモジュールにチェックを入れて、ページ最下部の「インストール」ボタンを押して有効化しましょう。

スクリーンショット drupalの拡張機能ページで任意のモジュールにチェックを入れている

これでモジュールを使用できます。

その他のデモ

Simplytestでは、初期状態のDrupal以外にも、1クリックで起動できるデモが用意されています。
2024年8月現在では「Drupal Commerce」と「Umami」の2つのデモが用意されています。

スクリーンショット symplytestのトップ画面でdrupalのデモ環境を起動している

ただし、どちらもDrupalの言語設定が英語になっています。

日本語で利用したい場合は手動設定の上、Drupal Commerceの場合は「Add additional project」でモジュールを追加し、「Umami」の場合はDrupalのインストール設定時の「プロファイルの選択」で「デモ: Umamiフードマガジン」を選択する必要があります。

Drupal Commerceのデモ

スクリーンショット drupal Commerceのでも環境のトップページ

Drupal Commerceは、DrupalでECサイトを作成するためのモジュールです。
下記のような仕組みをDrupal上に追加できます。

  • 商品管理:商品の登録や管理ができる機能
  • 注文プロセス設定:商品選択からチェックアウトまでの一連の流れを管理する機能
  • 支払いゲートウェイ設定:支払い方法を管理・設定できる機能
  • 在庫管理:商品の在庫状況の管理方法や、在庫切れ時の挙動を設定できる機能
  • 割引機能:割引などのキャンペーンを設定する機能

実際に商品データが入っていたり、サンプル用の支払い設定なども入っているため、実際にDrupalでどこまでできるのかを確認したい場合に便利です。

ちなみに、右上の「Log in」からログイン画面に遷移してログインできます。
ユーザー名とパスワードはどちらも「admin」です。

Umamiのデモ

スクリーンショット drupal Umamiのデモ環境のトップページ

Umamiは、Drupal 8.6から正式に追加されたデモ用のプロファイルで、Drupalを実際にどのように使えばいいかイメージするために「グルメ情報を発信するUmami Food Magazineという架空のマガジンサイト」という想定でサイトが作成されています。

Drupal Commerceと同じく右上の「Log in」からログイン画面に遷移してログインできて、ユーザー名とパスワードはどちらも「admin」です。

実際にデータも入っているので、標準のプロファイルよりもDrupalの各機能を実際にどのように活用すればいいかのイメージがつきやすくなっています。

「記事(Article)」と「基本ページ(Basic page)」の使い分けや、多言語対応の方法など、実際に登録されているデータを見ながらDrupalの各機能に触れられるので、初心者の人がどんな風にDrupalを使うのか学びたい場合に使えそうです。

まとめ

作成した環境は24時間で消えてしまうため、サイトを作り込んで公開したい場合はローカルの開発環境が必要になります。

しかし、使い方によっては初心者から上級者まで、さまざまなユーザーにとって便利なサービスではないでしょうか。

  • 初心者がとにかくDrupalを試しに触ってみたい場合
  • モジュール選定時にいくつかのモジュールを選定して比較したい場合
  • Drupalの新機能を試してみたい場合
  • Drupalやモジュールのバージョンごとに違いを確認したい場合

本格的なプロジェクトや長期的な開発では、ローカル環境構築は必須ですが、その前段階として活用できます。

Drupalの豊富な機能と柔軟性を最大限に活用するためにも、Simplytestを効果的に活用してみてはいかがでしょうか。

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