セッション半減、本当にAIのせい?決めつける前にサイトをちゃんと調べてみた
じま
自社サイトや取引先サイトのセッション数が激減している…。
「まぁ、AIのせいだな」
「AI対策をがんばろう」
いえいえちょっと待って!
本当にそれ、AIのせいでしょうか?
確かにAIの発展と浸透は目覚ましい。
しかしAIが出てくる前から、セッション減は起きるものでした。
もしも今のセッション減がAIのせいではないとしたら…?
というわけで、AIのせいと決めつける前に、改めてセッション減の原因をさぐってみました。
目次
前年比セッションが激減!?疑ったのはAI
担当している取引先サイトの、最近のアクセス状況は、前年と比べると明らかに落ちていました。
自然流入は前年比マイナス25%前後。
コンテンツ単体だと、マイナス70%以上落ちているページもありました。
原因として真っ先に思い浮かんだのは、やはり、生成AIの普及。
ChatGPTやGeminiとのやりとりで満足したり、GoogleのAI Overview(検索結果に表示されるAIによる要約回答。以下「AIO」)だったりによって、ユーザーがサイトを訪問しなくなっているのではないか。
そう考え、実際にデータを検証してみることにしました。
GA4でAI経由の流入を見てみる
まずは「AIツールから直接どれくらいの流入があるか」を確認します。
GA4の標準レポートや探索機能で参照元を確認すれば、ChatGPTやGemini、Claudeなどの各生成AIからの流入がわかります。
5月に実装された「AI Assistant」のチャネルでまとめて確認するのもいいでしょう。
ただし、GA4でわかるのはAIからの直接流入のみ。
検索結果画面のAIOからの流入は、AIOからだとはわかりません。
生成AIチャットからの流入なら、参照元に生成AIのサービス名が表示されます。
しかし、AIOからの流入は通常の検索流入と同じ表示になるため、見分けがつかないのです。
ともあれ、GA4から参照元を確認してみました。
GA4探索で参照元を確認:

レポート>集客>トラフィック獲得でAI Assistantを確認:

実際に数字を見てみると、AIからの直接流入は、全体のわずか0.2%~0.3%でした。
AI経由の直接流入がほとんどないなら、セッションが減っている原因はAI以外にあるかもしれません。
もしくは、AIの影響で訪問しなくなったユーザーが、そのまま戻っていないのかもしれません。
さらに分析するために、表示回数やCTRなどを確認してみましょう。
Search Consoleでゼロクリック化の証拠を探す
GA4ではAIからの直接流入を確認しました。
次は、GoogleのAIOの影響を確認してみます。
検索結果画面でAIが回答を表示してしまい、ユーザーがクリックせずに満足してしまう。
いわゆる「ゼロクリック化」を疑います。
AIOは情報の信頼性を提示するため、要約の参考元を表示しています。
そのため、検索結果画面で表示はされている。
しかしAIの要約でユーザーが満足してしまうため、コンテンツには訪問してもらえない、という事態が起きます。
数値では、表示回数は横ばい~増加、クリック数は減少、といった形で見えてきます。
Search Consoleで、クリック数、表示回数、CTR、掲載順位を、前年同期と比較してみました。

- クリック数:前年比13.7%減
- 表示回数:前年比8.9%増
- CTR(クリック率):前年比1.91pt減
- 平均掲載順位:前年比ほぼ横ばい(微悪化)
表示回数自体は減るどころか増えており、掲載順位もほとんど変わっていません。
にもかかわらず、クリック数は下がっています。
まさにAIOによるゼロクリック化を疑わせる、典型的な結果です。
おまけ:Search Console「生成AI機能」でAIO・AI検索の表示回数を確認
Search Consoleは2026年6月に、AIOなどでの表示実績がわかる「生成AI機能」を発表しました。
Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入 | Google Search Central Blog
AIOやAIモードといった検索での生成AI機能、Google Discoverの生成AI機能を対象としています。
数値の確認は検索パフォーマンス機能から可能です。
ただし確認できる数値は表示回数のみ。(2026年8月現在)
クリック数などの数値は確認不可。クエリも含まれていません。
あくまで、AIOやAI検索において、サイトやページがどれくらい見られているか、を確認できるのみとなっています。

とはいえ、これまではAIOの表示回数と通常の表示回数、それぞれの数値を分けて確認はできませんでした。
それがようやく、AIOやAI検索だけの数値も確認できるようになったのです。
表示回数のうち何%がAIO・AI検索のものかわかれば、打てる手は増えるでしょう。
ちなみにこの担当サイトは、全体の表示回数のうち20.5%がAIO・AI検索によるものでした。
また今後、クリック数などが確認できるようになる可能性も、大いにあります。
情報にアンテナをはりつつ、機能をうまく使って対策を立てていきたいですね。
まとめ
「AIに流入を奪われている」という最初の仮説は、半分正しく、半分は単純化しすぎていました。
今回の調査で分かったのは、
- AIからの直接流入はごくわずか
- 検索順位は維持
- 表示回数は増えている
- クリック数は減っている
という状況でした。
AIOのゼロクリック化の影響を疑わせる状況です。
ただし、これはあくまで「ゼロクリック化のせいかも」と考えられるというだけにすぎません。
「ゼロクリック化が原因だ」と断定できるわけではないのです。
ゼロクリック化の影響をさらに明らかにしたいなら、AIO分析に強い有料ツールの導入などが別途必要になってくるでしょう。
では、これ以上の分析は不可能なのでしょうか。
いいえ、他にもできることはあります。
たとえば、AIOの影響を特に受けているキーワードは何か。
「前年比のマイナス70%が見られるページもあった」と最初のほうで書いたことを覚えているでしょうか。
全体の減少はマイナス25%前後です。
つまり、ページによって減少に大きなばらつきがあります。
キーワードによってAIOの影響の強さが異なっている可能性が高いです。
次回は、実際に1,400件を超えるキーワードを検索意図ごとに分類し、どんな検索が実際にAIに流入を取られやすいのかを分析していきます。
じま / マーケター
マーケターとして入社しました。
SEOやコンテンツ、データアナリティングなどマーケティング業務をおこなっています。
美術鑑賞が好き。休日はたまに美術館や博物館へ出没します。

